ブランクがある看護師の職場選び

看護師の復職

看護師が無理なく安心して復職できる職場を選ぶために、大切なことは何でしょうか。病院で最前線への復帰を目指す人や、病院以外の事業所で無理なく仕事を続けたい人など、様々なケースに分けてご紹介します。

安心して復帰できる職場とは

しばらく看護の現場から離れてしまうと、自分の看護技術や知識に自信が持てなくなってしまうこともあります。また以前ほど、仕事に費やせる時間が少なくなってしまった人もいるでしょう。
実は、このようなことが原因で、復職に二の足を踏んでしまう人がとても多いのです。でも、看護師免許を持っているのなら、やっぱり看護師として復職したいですよね。

ただし、ブランクが長い人や生活の状況が変わった人ほど焦りは禁物です。まずは復職を成功させることを第一に、今の自分に合わせた職場を復職先に選びたいものです。
ここでは、復職を目指す人にオススメしたい職場や働き方をご紹介します。

時間帯を選んで病院に復帰する場合

日勤常勤として復職する

復職後、いきなり夜勤を担当するのは不安という人にオススメなのが、日勤常勤での働き方です。就業時間はどの病院も概ね8:30から17:00くらいの時間帯となっています。
夜勤手当が付かない分、多少給与の面では見劣りするかもしれませんが、パートやアルバイトで働く場合に比べて、福利厚生の恩恵を受けることができます。
ブランク明けの復職は何かと気を遣うことが多く疲労もたまりやすいので、規則正しい生活リズムを維持しながら、落ち着いて現場になれることができるのも大きなメリットといえるでしょう。

パートやアルバイトなど時短勤務で復職する

復職する際にパートやアルバイトといった、非常勤の勤務形態を選択する働き方もオススメです。
常勤に比べて保険や福利厚生などは受けることが出来ませんが、家庭や子育てと両立しながら、自分のペースで現場の感覚を取り戻したり維持したりできるというメリットがあります。
扶養内で働きたい人が時短勤務を選ぶことが多いのですが、ブランクが長い人にとっても無理のない働き方ですし、退職後1、2年目で、本格的に復職する前の馴らし就業として活用することも出来そうです。

規模を選んで病院に復帰する場合

中規模病院・慢性期病棟がオススメです

将来を見据えて、復職後すぐに病院でバリバリ働きたいという人もいるでしょう。ブランクが短く、復職への不安もあまりないという人なら、病床数も診療科も多い大規模病院に飛び込んで、少しでも早く第一線への復帰を目指すのも良いかもしれません。
しかし、ブランクが3年以上の方には、大規模病院への復職はあまりオススメできません。

大規模病院は様々な制度や研修も充実している場合が多いのですが、実際の現場は非常に忙しく、新しく入職した看護師へのフォローは二の次になってしまうケースも多い、というのが現実です。
中規模病院で慢性期等を主に扱う職場であれば、現場でもサポートが必要な看護師に配慮する余裕があります。

失われたスキルを早く取り戻したい、経済的な事情から早く稼ぎたい、というあせる気持ちもあるかと思いますが、職場への復帰をスムーズに行うことが、将来のためにもなるはずです。

制度で選んで病院に復帰する場合

復職支援・研修が充実した職場が増えています

7対1の基本入院料導入後、看護師の確保のためブランクのある人材を入職前に再教育して復職させようという病院が増えてきました。
たとえば採血や点滴のルート確保に自信が無い、経験が無いという人でも、このような復職支援研修を行っている病院を復職先に選ぶことで、スムーズに復帰することが出来ます。

また、電子カルテや最新の医療機器の使い方や最近の薬剤や物品などについても、しっかり研修してくれるところもありますので、復職後すぐにでも最前線で活躍したいという看護師は復職支援や研修制度が充実した病院を探してみてはいかがでしょうか。
なお、クリニックなど小規模な事業所でも新設の場合は、ほとんどが入職1ヶ月くらいから研修を行います。ルールが出来上がっていないので、自分達がやりやすいような仕組みを一から作ることも出来ます。

看護師として介護サービス事業で復職する場合

介護施設に復職する

復職先に介護施設を選ぶ一番のメリットは、医療行為がなく、夜勤も無い事業所が多い点です。
どんな状態の入居者の方を受け入れているかにもよりますが、急変などが無い限り残業もあまり発生ないことが多いため、産休、育休から復帰した人でも働きやすい職場といえるでしょう。

ただし、基本的にひとつの施設に常勤する看護師の人数が少なく、医療従事者は自分ひとりという場合も少なくありません。
もちろん、看護師の範疇を越える判断は提携している医師などに連絡し判断を仰ぐことができますが、自分である程度判断して動ける人が向いているといえるでしょう。
介護師やケアマネーシャーといった別分野のプロと知識を深め合い、入居者一人ひとりに向きあった看護ができるところも魅力のひとつです。

訪問看護ステーションに復職する

働ける時間に制約があるけど、それなりに給与も欲しい。その場合は、復職先に訪問看護ステーションを選んでみてはいかがでしょうか。
訪問看護師は他の医療機関などと診療報酬体系が異なることから、病院で働くよりも看護師の給与が相対的に高くなることが多くあります。

基本的に外回りなので、昼休みや訪問が無い時間は自宅で過ごしたり買い物をすることも可能です。もちろん夜勤もありません。家庭や子供との時間を合わせた働き方をしたい人にとっては、もってこいの復職先といえるでしょう。
また、訪問看護師としての経験を活かして、将来的に新しい訪問看護ステーションを自ら起業する、ということが珍しくない分野でもあります。ゆくゆくは後世の育成や経営者という道も開けるかもしれません。

看護師として人の成長に寄り添う保育園で復職する場合

保育園も基本的に医療行為や夜勤がなく土日祝日が休みという事業所が多いので、復職しやすい職場のひとつといえるでしょう。また、保育園の求人はブランクが長くても採用や実務にあまり影響することがないため、実際に、10年、20年のブランクを経て復帰したという人も珍しくはありません。

保育園での看護師の役割は、園児たちの健康状態を見守りながら、衛生管理、感染予防の指導、健康便りなどのお知らせの作成などになります。保育のサポートに入ることも多く、人の成長に寄り添える仕事なので子供好きの人にとってはこれ以上ないくらい幸せな復職先となるかもしれません。

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